書籍詳細

マンガで楽しむ古典

マンガで楽しむ古典 百人一首

吉海直人 監修

サイズ・頁数 A5判・304頁
ISBNコード 978-4-8163-5707-7
価格(税込) 1,430円
発行日 2014.11.17

内容紹介

百人一首には約千年前の時代を生きた歌人たちの恋愛模様、季節や自然を愛でる気持ち、世情への吐露などが詠み込まれた和歌が収録されています。本書では、すべての和歌にマンガを入れ、その意味、歴史的背景、和歌の知識などをわかりやすく解説しました。当時の装束や日常生活などがわかるコラムも満載。

目次

百人一首が誕生するまで

百人一首の地を旅する

百人一首に登場する土地

本書の見方



第1章 飛鳥?平安初期の歌人と歌

時代背景を知ろう

1 秋の田のかりほの庵のとまをあらみわが衣手は露に濡れつつ 天智天皇

2 春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山 持統天皇

3 足曳きの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む 柿本人丸

4 田子の浦に打出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 山辺赤人

5 奥山に紅葉踏み分けなく鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき 猿丸大夫

6 かささぎの渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞ更けにける 中納言家持

7 天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも 阿倍仲麿

8 わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり 喜撰法師

9 花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに 小野小町

10 これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関 ?丸

11 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人にはつげよあまの釣舟 参議篁

12 天つ風雲のかよひぢ吹きとぢよ乙女の姿しばしとどめむ 僧正遍昭

13 筑波ねの峰より落つるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる 陽成院

14 陸奥のしのぶもぢずり誰故に乱れそめにし我ならなくに 河原左大臣

15 君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ 光孝天皇

16立別れいなばの山の峰におふるまつとし聞かば今帰り来む 中納言行平

17 ちはやぶる神代も聞かず龍田川から紅に水くぐるとは 在原業平朝臣



第2章 平安前期の歌人と歌

時代背景を知ろう

18 住の江の岸による浪よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ 藤原敏行朝臣

19 難波潟短き葦のふしのまもあはでこの世をすぐしてよとや 伊勢

20 侘びぬれば今はた同じ難波なるみをつくしても逢はむとぞ思ふ 元良親王

21 今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな 素性法師

22 吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ 文屋康秀

23 月見れば千々にものこそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど 大江千里

24 このたびは幣もとりあへず手向山紅葉の錦神のまにまに 菅家

25 名にしおはば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな 三条右大臣

26 小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ 貞信公

27 みかの原わきて流るる泉川いつみきとてか恋しかるらむ 中納言兼輔

28 山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば 源宗于朝臣

29 心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花 凡河内躬恒

30 有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし 壬生忠岑

31 朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪 坂上是則

32 山がはに風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり 春道列樹

33 久方の光のどけき春の日にしづごころなく花の散るらむ 紀友則

34 誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに 藤原興風

35 人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける 紀貫之

36 夏の夜はまだ宵ながらあけぬるを雲のいづこに月宿るらむ 清原深養父

37 白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける 文屋朝康

38 忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな 右近

39 浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき 参議等



第3章 平安中期?後期の歌人と歌

時代背景を知ろう

40 忍ぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで 平兼盛

41 恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか 壬生忠見

42 契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山浪こさじとは 清原元輔

43 逢ひ見ての後の心にくらぶれば昔はものを思はざりけり 権中納言敦忠

44 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし 中納言朝忠

45 哀れともいふべき人はおもほえで身のいたづらになりぬべきかな 謙徳公

46 由良の門をわたる舟人かぢを絶え行方も知らぬ恋の道かな 曾禰好忠

47 八重葎しげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり 恵慶法師

48 風をいたみ岩うつ浪のおのれのみくだけてものを思ふ頃かな 源重之

49 御垣守衛士のたく火の夜はもえ昼は消えつつものをこそ思へ 大中臣能宣

50 君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな 藤原義孝

51 かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを 藤原実方朝臣

52 明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな 藤原道信朝臣

53 嘆きつつ独りぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る 右大将道綱母

54 忘れじの行末まではかたければ今日を限りの命ともがな 儀同三司母

55 滝の音はたえて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ 大納言公任



第4章 平安後期の歌人と歌

時代背景を知ろう

56 あらざらむこの世のほかの思ひ出に今一たびの逢ふこともがな 和泉式部

57 めぐり逢ひて見しやそれともわかぬまに雲がくれにし夜半の月かな 紫式部

58 有馬山ゐなのささ原風吹けばいでそよ人を忘れやはする 大弐三位

59 やすらはで寝なましものを小夜更けてかたぶくまでの月を見しかな 赤染衛門

60 大江山生野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立 小式部内侍

61 いにしへの奈良の都の八重ざくら今日九重に匂ひぬるかな 伊勢大輔

62 夜をこめて鳥のそら音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ 清少納言

63 今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならで言ふよしもがな 左京大夫道雅

64 朝ぼらけ宇治の川霧絶えだえにあらはれ渡る瀬々の網代木 権中納言定頼

65 恨み侘びほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ 相模

66 もろともにあはれと思へ山ざくら花よりほかに知る人もなし 大僧正行尊

67 春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなくたたむ名こそ惜しけれ 周防内侍

68 心にもあらで憂き世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな 三条院

69 嵐ふく三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり 能因法師

70 寂しさに宿を立ち出でて眺むればいづこも同じ秋の夕暮 良暹法師

71 夕されば門田の稲葉おとづれて葦のまろやに秋風ぞ吹く 大納言経信

72 音に聞く高師の浜のあだ浪はかけじや袖のぬれもこそすれ 祐子内親王家紀伊

73 高砂の尾の上の桜咲きにけり外山の霞たたずもあらなむ 権中納言匡房

74 うかりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを 源俊頼朝臣

75 契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋もいぬめり 藤原基俊

76 わたの原漕ぎ出でて見れば久方の雲居にまがふ沖つ白浪 法性寺入道前関白太政大臣

77 瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ 崇徳院

78 淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいくよ寝覚めぬ須磨の関守 源兼昌

79 秋風にたなびく雲の絶え間よりもれ出づる月の影のさやけさ 左京大夫顕輔

80 ながからむ心も知らず黒髪の乱れてけさはものをこそ思へ 待賢門院堀河

81 ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる 後徳大寺左大臣

82 思ひわびさても命はあるものを憂きに堪へぬは涙なりけり 道因法師

83 世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞなくなる 皇太后宮大夫俊成

84 ながらへばまたこのごろやしのばれむ憂しと見し世ぞ今は恋しき 藤原清輔朝臣

85 夜もすがらもの思ふころは明けやらでねやのひまさへつれなかりけり 俊恵法師

86 嘆けとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな 西行法師



第5章 平安末期~鎌倉の歌人と歌

時代背景を知ろう

87 村雨の露もまだひぬ槙の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮 寂蓮法師

88 難波江のあしのかりねの一夜ゆゑみをつくしてや恋わたるべき 皇嘉門院別当

89 玉の緒よたえなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする 式子内親王

90 見せばやな雄島のあまの袖だにも濡れにぞ濡れし色はかはらず 殷富門院大輔

91 きりぎりすなくや霜夜のさむしろに衣かたしき独りかも寝む 後京極摂政前太政大臣

92 わが袖は汐干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾く間もなし 二条院讃岐

93 世の中は常にもがもな渚こぐ海士の小舟の綱手かなしも 鎌倉右大臣

94 みよし野の山の秋風小夜更けて故郷寒く衣うつなり 参議雅経

95 おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣に墨染めの袖 前大僧正慈円

96 花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり 入道前太政大臣

97 来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ 権中納言定家

98 風そよぐならの小川の夕ぐれはみそぎぞ夏のしるしなりける 従二位家隆

99 人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふ故にもの思ふ身は 後鳥羽院

100 百敷や古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり 順徳院



第6章 かるたで広がる百人一首の世界

百人一首とかるた

かるたの遊び方

  散らし取り

  源平合戦

  坊主めくり

  逆さまかるた

  板かるた

競技かるたを知ろう

競技かるたで勝つには

決まり字一覧表(50音順)



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